インド地下核実験強行 |
---|
98/05/11
【ニューデリー11日共同=木庭慎吾】インドのバジパイ首相は十 一日、緊急記者会見し、同国が4同日に三種類の地下核実験を行ったと 発表した。
核保有大国が核実験を停止している中で、インドの二十四年ぶり の核実験強行は国際的な反発を呼ぶことが必至だ。
実験は同日午後三時四十五分(日本時間同午後七時十五分)、北 西部のラジャスタン州のポカラン砂漠で行われたという。
インドは一九七四年五月に初の核実験をしたが、一貫して「平和 のための核開発」と主張。核拡散防止条約(NPT)にも現核保有 国に有利な差別的条約だとして加盟していない。
包括的核実験禁止条約(CTBT)にもパキスタンや朝鮮民主主 義人民共和国(北朝鮮)とともに未署名で、インドの参加を条件に している同条約は発効していない。
インドは八九年五月に核兵器も搭載可能とみられる国産中距離ミ サイル「アグニ」(射程二千四百キロ)の発射実験に成功。九五年一 月には核弾頭も搭載可能な国産地対地ミサイル「プリトビ」(射程 二百五十キロ)の短距離発射実験に成功。九六年一月には中距離でも 成功した。
最近の世界の核実験としては九六年七月の中国以来。米国が九七 年七月と九月、今年三月の三回、核爆発を伴わない臨界前核実験を 実施、パキスタンは今年四月に核弾頭搭載可能な新型中距離弾道ミ サイル「ガウリ」(射程千五百キロ)の発射実験に成功した、と発表 した。
バジパイ首相は今年三月の就任時の政策綱領で核兵器導入の可能
性言及していた。