インドの地下核実験に抗議行動/広島

'98/5/14

 インドが二度目の地下核実験を強行したのを受け、広島市中区の 平和記念公園では十四日朝から、被爆者団体や平和グループが抗議 行動を繰り広げた。

 市民グループ「ヒロシマ・平和のリボンの会」(渡辺美代子代 表)は原爆慰霊碑前で午前十時半から、「すべての核実験に反対し ます」などと書かれたリボン(縦五十センチ、横一メートル)約三十枚を連 ね、インドへの怒りを表した。

 平和公園を訪れたフランス人観光客も飛び入り参加。渡辺代表は 「世界各国が核軍縮に向けて動いている中、再度の実験強行は狂気 としか思えない。核が人類と共存し得ないというヒロシマの願いを 受け止めてほしい」と、核実験中止を求めるバジパイ首相への抗議 文を読み上げた。

 広島県被団協(金子一士理事長)や広島県原水協など八団体は正 午過ぎ、「インドの地下核実験に強く抗議する」との横断幕を掲 げ、原爆慰霊碑前で抗議の座り込みをした。アピールに立った各団 体の代表は「パキスタンなど周辺諸国を刺激し、核軍縮が後退しか ねない。国際世界への挑戦だ」と口々に危機感を表明した。

 また、「ピースリンク広島・呉・岩国」(三木のりこ世話人)も 正午から一時間、原爆ドーム前に座り込み、「核実験に強く抗議す る」と呼び掛けながら、インド政府を非難するビラを通行人に配っ た。

【写真説明】フランス人観光客と一緒にリボンを掲げ、核実験に抗議するリボンの会のメンバー(14日午前10時30分、広島市中区の平和記念公園)


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