広島市長、保有国包囲へ結集呼び掛け

'98/5/14

 インドの相次ぐ地下核実験強行を、広島市西区の自宅で聞いた平 岡敬広島市長は十三日夜、緊急会見に応じ、驚きと怒りを表した。 そのうえで「市民が知恵を出し合い、核保有国を包囲する具体的な 行動プログラムを考えなければならない」と、市民の英知を結集す るよう呼び掛けた。

 現地で開催中の原爆展や被爆地からの抗議を無視した二回目の暴 挙に「インドは国際社会に対する責任を放棄したも同然。ここまで 追い込んだ核保有国の責任も重い」と核状況の悪化にいらだちを見 せた。

 一方で、「被爆地の訴えはインドの政治家には通じなくても、イ ンド市民には伝わっている。その数を増やしていけば道は開ける。 絶望感にとらわれてはいけない」と強調した。

 今後の取り組みについては「抗議の意思表明だけでなく、非政府 組織(NGO)との連携を強めるなど、現実にインドや核保有国を 包囲する行動プログラムを考えなくてはならない。市民一人ひとり が自らの問題として知恵を出し合い、行動を起こしてほしい」と熱 っぽく語った。


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