インド地下核実験に抗議 被爆者らが座り込み
'98/5/12
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インドが強行した地下核実験に対し、広島市中区の平和記念公園 では十二日午後、被爆者団体や平和グループが一斉に抗議行動を繰 り広げ、同公園は怒りの声に包まれた。
広島県被団協(金子一士理事長)や同県原水協など八団体は午後 零時十五分から、原爆慰霊碑に向かって一分間の黙とうをした後、 慰霊碑前に座り込んだ。集まった約六十人の被爆者らは雨の中、 「インドの地下核実験強行に抗議する」と書かれた横断幕を掲げ、 午後一時前まで抗議を続けた。
核保有国をけん制し、包括的核実験禁止条約(CTBT)や核拡 散防止条約(NPT)への批判を強めていたインドの事実上の核保 有宣言に、金子理事長は「隣国パキスタンをはじめ、核軍拡競争が 再燃しかねない。いかなる事情があっても、被爆者として許せな い」と語気を強めた。この後、在日インド大使館を通じ、バジパイ 首相に抗議文を送ることを決めた。
市民グループ「ヒロシマ・平和のリボンの会」(渡辺美代子代 表)のメンバー五人も正午すぎ、原爆慰霊碑前に集合。「核実験は やめよう」などと書かれた色とりどりのリボン(縦五十センチ、横一 メートル)を、修学旅行生らと一緒に連ね、「ヒロシマの願いである核兵 器廃絶が遠のくばかり」と、国際世論を無視したインドの暴挙を非 難した。
【写真説明】インドの地下核実験に対し、抗議行動を繰り広げる被爆者団体や平和グループのメンバーたち(午後零時20分、広島市中区の平和記念公園)