(10年9月22日)
◆館長 ノルベルト・カンペ
もともと企業家の別荘として建てられた当館に1942年1月20日、ナチス親衛隊(SS)や政府の各省庁代表たち15人が集まり、欧州のユダヤ人の移送・殺害計画を協議した。「ヴァンゼー会議」と呼ばれる。アドルフ・アイヒマンが作成したとされるその議事録は驚くほど克明に、虐殺の計画とドイツ国家の積極関与を記録している。
それから半世紀の92年、記念・教育施設として開館した。2006年から始めた常設展示は、会議の場となったダイニングルームを中心に、ドイツの人種差別政策、強制収容所と虐殺、会議出席者のその後などについて、ドイツ語と英語で解説している。
また、青少年グループや学校のクラスを対象に、ユダヤ人の迫害やナチズムの歴史についての理解を深めるためのさまざまな機会を提供している。記念館スタッフの指導を受けながら少人数のグループ学習もできる。教育者たちを対象に、学校での授業のための研修も実施している。
かつて歴史学者ヨーゼフ・ヴルフ氏(1912〜74年)はここに、ナチズム研究のための資料センターを開設しようと尽力した。彼の名前を冠したライブラリー・図書室を設け、研究文献、目撃者の報告、記念誌や回想録、児童や青少年向け文学、各種専門雑誌を収蔵している。マイクロフィルム、視聴覚メディアなどもある。
住所 Am Grossen Wannsee 56-58 D-14109 Berlin
電話 +49-30-80 50 01-0
ホームページ http://www.ghwk.de/
休館日 法定の祝日
入館料 無料
(2010年9月20日朝刊掲載)
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