ヨーロッパ

ザクセンハウゼン追悼博物館(ドイツ)

(08年10月 1日)

◆広報担当 ホルスト・ゼファレンス

 ザクセンハウゼン追悼博物館は、ベルリン郊外のオラニエンブルグにある。旧東ドイツ政権下の1961年4月、ザクセンハウゼン強制収容所跡地に造られた国立追悼祈念館が母体だ。当初は収容所を保存することより、「ファシズムに対する反ファシズムの勝利」を象徴することに重きが置かれた。

 しかし、ベルリンの壁崩壊(89年)と東西ドイツ統合(90年)に伴い、93年1月、ブランデンブルク記念財団が運営する追悼博物館となった。国とブランデンブルク州が出資。ナチス時代の収容所を忠実に再現するよう、大幅に改装した。

 ザクセンハウゼン強制収容所は36年の夏に、ナチス親衛隊に所属していた建築家が設計、収容者によって建てられた。以来45年にかけて、ナチス政権の反対派やユダヤ人、ナチス占領下にあったヨーロッパ諸国の市民ら20万人以上を収容した。

 収容者の多くが飢えや病気、強制労働や虐待によって死亡。当博物館では、収容者の悲惨な生活の様子を、写真や絵、動画フィルムや証言などで紹介しているほか、収容者向けの台所や洗濯場、処刑場跡なども公開している。

 計11の現代的な博物館と展示物が、この地がこれまでたどってきたさまざまな歴史を物語る。歴史博物館の役割を果たすとともに、犠牲者への追悼と回想の場でもある。

住所 StraBe der Nationen, 16515 Oranienburg, Germany
電話 +49-(0)3301-200200
ホームページ http://www.stiftung-bg.de
休館日 月曜日、12月24日、12月31日
入館料 無料

(2008年9月22日朝刊掲載)

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ザクセンハウゼン強制収容所の正門跡 (©Brandenburg Memorilas Foundation)


博物館の敷地に再現されたユダヤ人強制収容所 (©Brandenburg Memorilas Foundation)


ザクセンハウゼン強制収容所の犠牲者を追悼する慰霊碑 (©Brandenburg Memorilas Foundation)