(09年11月11日)
◆技術専門員 カレン・クニップレントロップ
平和に暮らし、積極的に社会参画する大切さを知ってもらうことで、平和社会を実現していく思いを込めた館である。この「平和」は抽象論ではない。国内には紛争や戦争が今も大きく影を落とし、国民生活と直結する切実な問題なのだ。
ルワンダでは1994年、多数派のフツ人政府軍によるツチ人の大量虐殺があり、100日間で100万人以上が犠牲となった。今では平和維持活動は要らなくなったが、完全に平和な状態を取り戻せているわけではない。虐殺の傷跡に苦しむ人が大勢いる。貧困や飢餓もある。
ルワンダは、共通の言語や文化を持ちつつ、民族それぞれが独自の慣習を発展させてきた高度な社会。こうした背景を基に、平和博物館設立に向けた第一歩として、国立博物館は2002年、移動館プロジェクトを立ち上げた。
若者の教育に重点を置き、文化的、歴史的要素を取り入れた参加型プログラム。過去と現在を率直に議論しやすくし、国内の多様な文化や歴史についての知識を広めている。例えば高齢者と対話し、伝統的な料理やダンス、太鼓などを体験する。豊かな文化を学び、討論することで、寛容さやチームワーク、対話の重要性を伝えている。
地元の非政府組織(NGO)の協力で山間部にも出向いている。今後も恒久平和を追い求めていきたい。
住所 B.P.630 Huye,Rwanda
電話 +250 252530207
ホームページ http://www.museum.gov.rw
休館日 1月1日、4月7日、5月1日、7月4日
入館料 (外国人) 大人3000ルワンダフラン(約500円)、子ども・学生1000ルワンダフラン(約170円)
(2009年11月2日朝刊掲載)
※写真はクリックすると大きくなります。
参加型プログラムの一環で太鼓を打つ若者たち | 伝統行事である高飛びに挑戦する参加者 | ルワンダに伝わる話を聞く若者たち |
参加者と対話する高齢者たち | 参加型プログラムでの話し合い | |