(09年4月16日)
◆副館長 ヤロミイル・ハナク
平和の石塚記念館は、チェコ東部のモラビア地方でナポレオンが勝利した1805年12月のアウステルリッツの戦い(三帝会戦)の犠牲者を追悼するため、20世紀初頭に建設された。この戦争で1万5000人以上の兵士が死亡。多数の地元住民も巻き込まれた。
戦いから200年目の2005年、新しいマルチメディア展示「三帝会戦-スラフコフ/アウステルリッツ1805」を始めた。
展示は来館者が史実を知り、同時に戦いを感情的に追体験できる。兵士の「栄光」だけでなく「悲惨さ」に焦点を当て、反戦を強く訴える。導入部でフランス革命からアウステルリッツの戦い前夜までを解説。第2部で兵士の言葉や映像から、戦いに従事した者の気持ちをくみ取ってもらう。
第3部はコンピューターアニメで戦いを再現。最後にナポレオンとオーストリア皇帝の会談をビデオ上映し、来館者は犠牲者を追悼するチャペルへと誘われる。展示の大半は説明や絵、アニメなどの関連情報を閲覧できる装置が付く。
来年は展示施設を拡張し多目的ホールを増設する。芸術、文学、民話などで、この戦いがどう取り上げられてきたかを検証し、「戦争のその後」を考える。「こども博物館」など、双方向性のある催しにも取り組む予定だ。
住所 K Mohyle miru 200 664 58 Prace, Czeh Repulic
電話 +420-544-244-724
ホームページ http://www.muzeumbrnenska.cz
休館日 月曜(10-4月)
入館料 86CZK(約410円)、学生43CZK(約205円)、身体障害者無料
(2009年4月6日朝刊掲載)
※写真はクリックすると大きくなります。
導入展示「戦い前」。アウステルリッツの戦いが始まった背景を紹介 | 記念行事のため、イルミネーションを施された記念碑 | アウステルリッツの戦いを紹介するコーナー |
記念碑にあるチャペル。アウステルリッツの戦いで命を落とした兵士が眠る |