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'13/11/26

希少チョウのハウス飼育成果



 国内で三原市と広島県世羅町だけに生息するとされる国内希少野生動植物種のチョウ「ヒョウモンモドキ」の幼虫群が、2010年の約100群から今夏、約370群に増えたことが分かった。日本チョウ類保全協会(東京)の調べ。地元愛好家でつくる保護の会などは、同年から世羅町黒渕のせら夢公園内でハウス飼育に取り組んでおり、一定の効果があったとみる。

 ハウスは幅約6メートル、長さ約25メートル。現在2棟あり、両市町の5カ所から幼虫群や卵塊の一部を移して飼育している。ハウス内には食草のキセルアザミやノアザミを植えて湿地を再現。無計画な交配を防ぐため、生息地ごとに仕切りをした。

 毎年100~150匹の成虫が育ち、一部は個体数が減った元の生息地やその周辺に放している。

 同会によると、両市町で02年に約60カ所あった生息地は10年には15カ所に、幼虫群数は約400群から約100群に減った。ハウス飼育に対し「自然の中で保護するべきだ」と否定的な意見もあるが、「危機的な状況」とみて同会などは踏み切ったという。

 12年には、地元自治体などと保全地域協議会を発足。草刈りの徹底など生息地の環境整備を強化した。相乗効果で、近年は減少傾向だった幼虫群数は持ち直し、生息地の数も維持されている。

【写真説明】ヒョウモンモドキを飼育しているハウスの維持管理をする保護の会のメンバーたち




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