(10年6月11日)
◆理事長 浅川保
「伝えたい戦争の記録・記憶を」との市民の声を結集し、2007年5月に開設した民間の博物館です。前身の市民団体「山梨県戦争遺跡ネットワーク」の10年間の調査や資料収集を経て、約800人の市民の賛同金で設立しました。
1階は戦争と平和がテーマ。1945年7月の甲府空襲について、亡くなった1127人全員の名前を記載したパネル、元日航機長諸星広夫氏と米軍B29飛行士との交流で明らかになった実態や歴史を伝えています。スペイン・ゲルニカや中国・重慶などでの戦略爆撃の歴史や、フィリピン・レイテ戦でほぼ全滅した甲府連隊の軌跡も紹介。当時の教科書やパネルなどで戦時下の教育や暮らしぶりを示すコーナーもあります。
2階は、山梨県で育った石橋湛山(1884〜1973年)の生涯と思想を展示する全国初の記念館。東洋経済新報社の記者・言論人として平和・民権・自由主義を唱え、戦後は首相になった歩みを写真や実物資料で振り返っています。
2千冊以上の図書と170点以上のビデオを所蔵。市民提供資料が並ぶ「私の展示コーナー」も設けています。また、戦争体験者の証言や、戦争と平和に関する講演会などの企画行事を毎月開いています。博物館が、体験者や学習者たちが記録などを持ち寄る市民参加型の「平和の港」となるよう、発見、交流、つながりを広げています。
住所 甲府市朝気1の1の30
電話 055―235―5659
ホームページ http://ypm-japan.jp/
休館日 火曜、水曜、祝日
入館料 大人300円、中高大生200円、小学生以下無料
(2010年6月8日朝刊掲載)
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甲府空襲などの展示に見入る来場者 | 甲府連隊の歴史を伝える展示の一部 | 山梨平和ミュージアムの外観 |