日本

東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区)

(08年6月16日)

◆学芸員 山辺昌彦

 東京都の平和祈念館建設計画が1999年凍結されたため、2002年3月に財団法人政治経済研究所の付属研究機関として開館した。資金は同研究所と「東京空襲を記録する会」などが呼びかけた民間募金。現在も個人会費や募金に支えられている。空襲がひどかった場所にあり、土地は志ある方から寄付された。

 1945年3月10日をはじめとする無差別爆撃で民間人を中心に10万人以上が死亡、300万人以上が被災した。その実態を明らかにし、「戦争や空襲被害を繰り返さない」という平和への願いを伝えてきた。主に東京空襲を記録する会が70年代から集めていた資料と新たに寄せられたものを保存し、展示している。

 昨春増改築して100人が入れる説明室を新設、展示内容も拡充した。被災者が描いた空襲の絵や被災地図、焼夷(しょうい)弾などの爆弾や防空に関する資料、救護・遺体処理関係資料、米軍のビラなどを展示。灯火管制下の部屋を再現しているほか、特別室では、民間人戦災被害者の補償要求運動の歴史とともに作家・早乙女勝元館長たちによる平和へのメッセージも紹介している。

 図書室では書籍を自由に閲覧できる。多くの人に支えられた空襲などの戦争被害を明らかにする研究成果は、シンポジウムや報告書で発表。毎年3月10日前後には「東京大空襲を語り継ぐつどい」を開いている。

住所 東京都江東区北砂1の5の4
電話 03-5857-5631
ホームページ http://www.tokyo-sensai.net/
休館日 毎週月・火曜、12月28日-1月4日
入館料 300円、中高生200円、小学生以下無料

(2008年5月19日朝刊掲載)

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被災地図を示しながら、東京大空襲の体験を話す被災者


館内の様子