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'13/11/30

司法と福祉連携訴え 島根



 刑務所などを出所した障害者や高齢者の支援を考えるセミナーが29日、浜田市の島根県立大であった。あさひ社会復帰促進センター(同市)、松江保護観察所、県地域生活定着支援センター(いずれも松江市)の職員が、受刑後に行き場のない人を支援することの困難さを報告。福祉施設への入所を促すため、司法と福祉の連携強化を訴えた。

 同促進センターの収容定員2千人のうち障害者や高齢者に特化した枠は計220人。満期釈放で親族の元に帰る割合(10月末)は一般40%に対し、高齢者が25%、精神障害者37%、身体障害者31%。行き場のない出所者を福祉施設へ入所させるには、時間がかかることが多いという。

 同支援センター職員は、半身不随で障害者手帳を持っていない70代男性を福祉施設に入所させるため、面接や行政手続きなど計12回付き添った事例を報告。保護観察所の保護観察官は「福祉施設入所の手続きを始めても、本人が拒めば先に進まない」とし、受刑期間中からの司法と福祉の調整を訴えた。

 服役中に障害者の世話人を務めた山本譲司・元衆院議員(51)が講演し「福祉全体を底上げし、障害者を包み込む社会にしよう」と呼び掛けた。

 セミナーは県などが主催。福祉関係者や保護司たち約180人が参加した。

【写真説明】出所した障害者や高齢者への支援の現状や課題を話す出席者




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