'13/11/30
診療船済生丸3世号が引退
瀬戸内4県の離島などで医療活動をする社会福祉法人済生会の巡回診療船「済生丸3世号」が29日、引退した。最後の診療場所となった尾道市の百島で、日本唯一の診療船は23年間の活動を終えた。
午前9時すぎ、泊港に寄港。島民27人が次々と乗り込み、医師や看護師たち計9人が血圧測定や心電図検査などをした。診療終了後には、済生会の関係者や島民計約50人が出席し、船内で引退式を開催。島民が船員に花束を手渡し、拍手で感謝した。
診察を受けた藤本良人さん(69)は「島内で検査を受けられるので頼りにしていた」と別れを惜しんだ。山田勝士医師(68)は「人口減や高齢化が進んでいるが、今後も巡回し、島しょ部の医療に貢献したい」と話した。
3世号は1990年2月に就航。広島、岡山、愛媛、香川4県の計64島を訪れ、延べ約27万7千人を診察した。老朽化のため、廃船となる。
【写真説明】最後の診療を百島で終えた済生丸3世号