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'13/11/29

市職員また酒気帯び運転疑い



 28日、広島市職員の飲酒運転がまた、発覚した。9月に道交法違反(酒気帯び運転など)で摘発された安佐市民病院の男性看護師(22)。酒を飲みハンドルを握ったのは、飲酒運転防止のための面談を受けた約1カ月半後だった。市が全庁的な取り組みを進める中、摘発された市職員は本年度で3人目となる。

 28日、市病院事業局が市役所で会見した。「市病院事業局が管理する3225人の職員全員を完全に把握し、コントロールするのは難しい。その結果、今回の事案が起きた」。影本正之・市病院事業管理者は頭を下げた。

 男性看護師が面談を受けたのは8月5日。看護師長に過去の飲酒運転を問われ「2年以内に2回程度」「自分はアルコールがすぐ抜ける体質」と説明したという。「休みの前しか飲まない」など対策を話し合ったが、病院はその後のフォローをしていなかった。

 市職員の飲酒運転は2009~12年度で計9人に上る。13年度も、5月に安佐北区役所の職員が書類送検された。事態を重く見た市は7~8月、全職員2万人を対象にした面談を実施。しかしその直後の9月下旬、水道局職員の飲酒運転が発覚。今回の男性看護師も、ほぼ同時期に酒を飲んで運転していた。

 市病院事業局は今後、飲酒量の多い職員には定期的に面談。家族ぐるみで取り組むよう家族へ要請書を送り、職場で再発防止の声掛けをするリスクマネジャーも置く。男性看護師については「できるだけ早く厳正に処分する」としている。

 関西大特任教授で法令順守に詳しい郷原信郎弁護士(58)は「『そこまで危険ではない』と本人が思っても、法的には違反。公務員としての意識が低いとしか言いようがない」と指摘。「法律を守らない公務員がいかに批判され、恥ずかしいか。時間をかけても、研修などで地道に倫理意識をすり込むしかない」と話している。

【写真説明】看護師の飲酒運転を受け、会見で陳謝する安佐市民病院の影本病院事業管理者(左から2人目)たち




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