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'13/11/29

工業用水の減額制度創設へ



 山口県は28日、工業用水を供給する企業が少雨などを背景に自主節水をした場合、カット量に応じて料金を減額する制度を、来年度にも創設する検討に入った。現在は使用実績に関係なく一定額を受け取っており、減額制度が企業の競争力強化につながるとみる。

 県は企業と工業用水の供給量を契約。条例で定めた単価を基に料金を受け取る。料金は使用実績と連動しないため、渇水期に水不足を防ぐ狙いで企業が自主的に取水量を減らしても県の収入は変わらない。検討中の減額制度では、自主節水分の料金を下げる方針で、減額幅や適用期間などを詰める。

 工業用水道事業は企業会計のため、独立採算が求められる。昨年度は料金収入64億5100万円に対し、12億3200万円の黒字を計上。内部留保は昨年度末で53億100万円あり、一定の原資を確保できる見通しだ。

 工業用水を利用する企業でつくる県内7地区の利用者協議会は同日、藤部秀則副知事に制度創設を求める要望書を初めて提出した。周南地区工水利用者協議会の会長でトクヤマ徳山製造所(周南市)の安達秀樹執行役員所長は「要望は前向きに受け止めてもらった」と手応えを語った。

【写真説明】藤部副知事(右手前)に減額制度の創設を求める安達所長(中央)




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