ニュースランキング

'13/12/1

学童保育 進む民間参入



 広島市内で、共働きやひとり親の小学生が放課後を過ごす学童保育(放課後児童クラブ)に民間事業者の参入が相次いでいる。この5年間で少なくとも5事業者が6カ所を開設し、来年のオープンも相次ぐ。公立施設は「待機児童」が出るほど過密な上、学習塾の役目や、夜遅くまでの保育を求める保護者が増えている背景がある。

 「できたよ」「さすがだね」。平日夕の学童保育ラブキッズ(安佐南区)。スタッフの助言を受け、小1の児童6人が漢字や計算のプリントを解く。最長午後10時まで預かり、その間も童話の音読や、お絵描きなどプログラムが満載だ。

 午後6時すぎ、長男(6)を迎えに来た看護師上慶夕理さん(39)=安佐南区=は「残業になっても安心。塾のように勉強もしっかりみてもらえる」と言う。

 学習塾を開く「5コーポレーション」が、2011年4月に開設。当初の5人程度から現在約60人に増え、来春は安佐南区内3カ所で開く。

 田中良典社長(36)は「多様なサービスを受けられる民間に、保護者の関心が向けられつつある」と手応えを話す。オプションで送迎サービスがあり、希望者は小学校まで迎えに行く。

 事業者によると、民間参入が加速したのは11年ごろ。学力アップや英会話の充実など、教育面を強化しているのが特徴。無料だが午後6時半までの公立に比べ、時間延長や送迎などサービスは多様だ。利用料は月1万~7万円程度と幅がある。

 市教委が児童館や空き教室で運営する無料の学童保育の現状も「追い風」ととらえる。5月1日現在、133学区170クラスに小学1~3年の6340人が通う。1クラス当たり40人の国の目安を超過するクラスが約35%に上り、待機児童も市内で7人いる。さらに市教委は昨秋、過密の解消や受益者負担を理由に有料化の検討を始めた。

 人材派遣などのシューペルブリアン(中区)は昨年9月、英会話を学べる学童保育を西区に開き、来年新たに1教室を増設する計画だ。広田智亮室長(38)は「国際化の進展で、英語を学ばせたい保護者は増える。ニーズをしっかりつかみたい」と語る。

【写真説明】スタッフの指導を受けながら漢字練習などに取り組むラブキッズの児童(広島市安佐南区)




MenuTopBackNextLast