'13/11/29
1票の格差「早期是正を」
広島高裁岡山支部が7月の参院選岡山選挙区の選挙無効を言い渡した28日、中国地方5県の与野党組織から「1票の格差」の早期是正を求める声が上がった。ただ、人口が少ない地方や中小政党への配慮を注文する意見も相次ぎ、政権与党のリーダーシップを求める声も聞かれた。
選挙無効とされた岡山選挙区で新人を当選させた自民党岡山県連の天野学幹事長は「厳粛に受け止める」とコメント。日本維新の会広島県総支部の中丸啓代表も同調し、民主党広島県連の宮原好男幹事長は「国会は『待ったなし』を突き付けられた」と語った。
判決を重く受け止める一方で、人口比を重視する流れへの懸念も強い。自民党島根県連の原成充総務会長は「(人口比例の)原理原則を貫けば地方からは議員が減る一方だ。地方はエネルギー供給や農業で都会を支えている」。同党鳥取県連の山口享会長は「人口だけを基準に解決できるほど単純ではない。人口が少ない県の意見も国会に届くような措置を」と求めた。
各党や地方の多様な意見を集約し、結論を得ることが国会に問われる。公明党島根県本部の三島治代表は「比例代表制の拡充など、選挙制度の大幅な改革が必要」とし、みんなの党広島県広域第一支部の武内正支部長も「抜本的な見直しを」と訴える。
今後の協議の進め方について、共産党山口県委員会の佐藤文明委員長は「全政党が対等な立場で協議する場を」と要望した。社民党広島県連合の金子哲夫代表は「有権者から選ばれた国会議員自らが取り組むべきだ」と指摘。一方で、党利党略が絡み合う議論の難しさを見越し、民主党岡山県連の高原俊彦幹事長代行は「外部の有識者に委ねる方法もある」と提案した。