アジア

中国人民抗日戦争記念館(中国)

(09年2月19日)

◆副館長 李宗遠

 中国で唯一、中国人の抗日戦争史の全体を紹介する記念館であり、国や北京市の重要な教育施設である。日中戦争(1937-45年)の発端となった盧溝橋事件(7・7事変)から50周年を記念し、87年7月7日に開館。北京市内の盧溝橋近くに位置し、鄧小平氏が記念館名を記した。

 正面には8600平方メートルの「抗戦広場」が広がる。両側に敷かれた7つの芝生は7・7事変を意味し、満州事変(31年)に始まる14年間の抗日戦争史を象徴している。3度の改修工事を経て、展示面積も当初の約4.5倍にあたる6000平方メートルに拡大。研究の深化と社会変化に伴い、展示内容も科学的、客観的なものに改めてきた。

 常設展「偉大な勝利-中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利のため」では写真や遺品、油絵、彫刻、ビデオなどを展示。国民党と共産党が協力し、台湾、香港、マカオの同胞や世界各地の華僑らが団結して日本の帝国主義侵略と戦った史実を紹介している。

 「日本軍731細菌部隊の罪」「中日国交正常化35周年-友情で築いた交流史」など企画展も随時開催。日本や米国、アジア各地で巡回展も開いてきた。

 開館して20年余り。村山富市元首相ら約80カ国国・地域の要人を迎え、海外から20万以上が来館するなど、見学者は1500万人を超えた。当館は、多数の犠牲者を出した侵略戦争の罪を訴え、各国との懸け橋となることを目指している。

住所 中国北京市豊台区廬溝橋城内街101号
電話 +86-(0)10-83891485
ホームページ http://www.1937china.org.cn
休館日 月曜 ただし抗日戦争記念日(7月7日、8月15日、9月3日、12月13日)は開館
入館料 無料

(2009年2月16日朝刊掲載)

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盧溝橋事件の模型を見る中国の子どもたち


記念館の前で「歴史を忘れず、平和を大切にする」と宣誓する中学生たち


記念館前の広場に集い、平和のための活動に参加する北京と香港、マカオの子どもたち


記念館を見学した後、感想をしたためる村山富市元首相(2007年9月27日)