'13/12/1
タスポ導入で保護者の摘発増
たばこ自動販売機の成人識別カード「taspo(タスポ)」が導入された2008年以降、子どもの喫煙を容認したとして、保護者らが未成年者喫煙禁止法違反容疑で摘発されるケースが相次いでいる。広島県警によると同県内ではことし、10月末時点で21件と、ここ10年で最多となった。たばこを自販機で買えなくなった子どもが、親たち大人から「もらいたばこ」をする実態が浮かぶ。
11月下旬の夜、広島市中区新天地のアリスガーデン。「お父さんが買ってくれるんよ」。広島県安芸郡の中学3年少女(14)は友人と一緒にたばこをくゆらせ、平然と話した。コンビニ前などで見知らぬ大人に声を掛け、たばこ代を渡して購入を頼むこともあるという。
県警によると、同法違反(親権者等の不制止)容疑の年間の摘発は00~07年が2~6件。タスポ導入後は08年8件▽09年10件▽10年12件▽11年9件▽12年19件―と、増加傾向が続いている。
「万引するくらいならわしのを吸えって、親がくれる」。中区の無職少年(17)は言う。県警少年対策課は「子どもがたばこを吸う背景として、身近な親が買い与える例は少なくない」とみる。中学生の息子らに自宅で吸わせたとして6月に逮捕された安佐北区の両親は、息子に「外で吸うんだったら台所で吸え」などと言っていたとされる。