■ 国連軍縮大阪会議を振り返って ■■■ | ||||||||||||||||
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2003/08/25
自治体・NGO 役割重要 広島市も積極的に 一九八九年の米ソ冷戦終結間際に始まった国連軍縮会議は、今年で十五回を数えた。 初めて開かれた京都会議には、米ロ核超大国などから地下核実験を探知するための地震研究の専門家や軍備・軍縮担当の政府高官、学者、ジャーナリストら三十一カ国から九十人が参加した。参加者の多くは、会議後、広島を訪ね、原爆被害の実態にも触れた。 九一年末のソ連の崩壊や二〇〇一年の9・11米中枢同時テロなど、その時どきの世界の情勢を反映しながら、メーンテーマも変わってきた。が、取り扱う分野の中心は、常に核兵器を地上からどう削減し、核拡散防止をいかに実現するかであった。 個人の資格での参加とはいえ、政府高官は自国政府の立場を反映したものとなり、国の利害を全面に出した非生産的な非難の応酬に終始するときも少なくなかった。専門家による議論は、核削減に伴う技術論にしばしば陥り、被爆国日本で開く軍縮会議の意義に首をかしげるときもあった。 だが、各国の政府高官や研究者、非政府組織の代表らが一堂に会し、率直に意見を交換する場は、参加者にユニークな機会を与えてきた。特に核保有国の外交官らは、核軍縮に積極的に取り組むNGO代表らの熱い声に耳を傾ける機会ともなった。 小型武器から核兵器まで、軍備縮小を着実に進めるには、国家間の上からの交渉に任せるだけでは前進しないことが年々明らかになってきた。狭い国家利益ではなく、人類全体の将来を考えて行動するNGOなど、下から軍縮を支える世界の市民の関与が欠かせない。 国連が提唱する「軍縮・不拡散教育」は、まだ緒についたばかりである。自治体やNGOの関与次第で、より豊かなものになるであろう。 むろん、主権国家の集まりである国連は、国際法を無視するような超大国の行為によって、機能マヒに陥るときもある。 だが、この会議で議長を務めた国連アジア太平洋平和軍縮センター所長の石栗勉氏の長年の仲介によって、中央アジア非核兵器地帯の設置が実現目前であるように、軍縮や開発、紛争後の社会復興に果たす国連の役割は大きい。 その国連とのパイプを太くし、ヒロシマのメッセージを世界に伝えるためにも、九六年以来広島で開催されていない国連軍縮会議に、広島市はもっと積極的に関与してもいいのではないだろうか。
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