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核保有国の役割論議 会議2日目 '03/8/21

 国連軍縮大阪会議は二日目の二十日、前日に続き「大量破壊兵器の拡散」をテーマに全体会議に入り、核保有国の役割などについて活発な議論を交わした。

 前日の報告を基に始まった討議では、核保有国の核軍縮への姿勢について質問が集中。これに対し、中国外務省の劉結一軍備管理・軍縮審議官は「中国政府は包括的核実験禁止条約(CTBT)早期批准を検討している。核兵器廃絶も支持しており、すべての核保有国にその意思さえあれば実現は可能だ」と強調した。

 英サザンプトン大マウントバッテン国際研究センターのジョン・シンプソン所長は、英国の核兵器放棄の可能性について「核の脅威が少なくなった点で、国際環境は整いつつあるが、現状では国内の官僚機構などの利害関係が絡み、実現は容易でない」と述べた。

 インドのラケシュ・ソード軍縮大使は、こう着状態にあるジュネーブ軍縮会議を「ミサイル防衛などの問題を抱え、加盟国全体での合意ができなくなっている」と指摘。「多国間がもっと自由に協議することが問題解決につながる」と訴えた。

 二十一日は、国連が提唱する軍縮教育などをテーマにセミナーを開く。



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