中国新聞地域ニュース
「核軍縮へ信頼醸成を」 国連会議大阪で開幕 '03/8/20

 ■18カ国55人が論議

 「軍縮とその将来」を全体テーマに、国連軍縮大阪会議(国連軍縮局、国連アジア太平洋平和軍縮センター主催)が十九日、大阪市天王寺区の大阪国際交流センターで四日間の日程で開幕した。十八カ国五十五人が参加。イラク戦争後の世界情勢を背景に、核軍縮の方策などをめぐる議論を始めた。

 初日は「現在の安全保障」と「大量破壊兵器の拡散」の二つの全体会議があり、米国や韓国、中国などの学者や政府関係者ら十一人が報告した。

 元国連事務次長で日本紛争予防センターの明石康会長は国連の役割について「加盟国の意思が結集する国連は、人類に希望を持たせる欠かせない機関。核軍縮にとって困難な時期だが、信頼醸成を図ることが重要だ」と述べた。

 米ヘンリー・スチムソンセンターのベンジャミン・セルフ上級研究員は「ブッシュ政権は小型核兵器の開発や核実験の準備をするなど、核軍縮の進展を妨げている」と自国政府を厳しく批判。その一方で「北朝鮮は六カ国協議を通じて時間稼ぎをしているだけで、核開発を断念する意思はないだろう」と指摘した。

 こうした状況に、中国外務省の劉結一軍備管理・軍縮管理官は「対話と協力を基礎にした関係を再構築していかなければならない」と強調した。

 ウズベキスタンとタイの政府関係者は、中央アジアや東南アジアで非核兵器地帯を形成した経緯と現状を報告した。

 二十日も引き続き「大量破壊兵器の拡散」「その他の軍縮問題」をテーマに全体会議を続ける。

【写真説明】「軍縮とその将来」を全体テーマに、開幕した国連軍縮大阪会議(大阪国際交流センター)



index | back | next