(08年11月 6日)
◆事務局長補佐 ニアブ・オーグラディ
北米と南米を結ぶ回廊に位置する中米7カ国。1970年代から80年代にかけて、米ソ対立を背景に内戦や国家間の対立が激化した。うち5カ国は交渉を重ね1987年、コスタリカのオスカル・アリアス・サンチェス大統領の提案を基に和平に合意した。
アリアス大統領は「和解のための対話」「戦闘停止」「反乱勢力への援助停止」などを提案。5カ国のイニシアチブによる紛争解決を目指した。これが評価され、大統領はノーベル平和賞を受賞した。
大統領は、賞金をもとに「平和と人類発展のためのアリアス財団」を設立。財団は2003年、首都サンホセの中心街にある民主主義広場の一角、国会議事堂と国立博物館の間に平和博物館を建立した。
館内では、財団の目的や開館までの経緯などのほか、アリアス大統領が提案した和平構想をわかりやすく解説している。和平プロセスに関するコーナーでは、地理、政治、社会、経済、文化など多方面から、中米で武力抗争や内戦が起こる背景を示している。
増え続ける内戦や国家間の対立の解決を目指し、財団は「紛争解決センター(CCR)」の設立を進めている。センターには展示室と図書館も併設する。
平和は一日でできるものではない。継続して、平和をつくり維持する活動に取り組みたい。
住所 Apartado: 8-6410-100 San Jose, Costa Rica
電話 +506-2224-1919
ホームページ http://www.arias.or.cr
休館日 土曜、日曜、祝日
入館料 無料
(2008年10月20日朝刊掲載)
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大統領が受賞したノーベル平和賞のメダルの複製も展示している | 博物館の館内の様子 | 博物館の外観 |