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家族史の中の原爆・戦争 (2006.7.27〜)

 戦後六十一年、そして被爆から六十一年の夏が来た。戦争も原爆も直接体験した生存者は例外なく老境にさしかかった。ならばこれからは家族や子孫による記録、つまり「家族史」も重みを増してゆくだろう。最近の自費出版ブームに加えて「団塊の世代」が半生を振り返ることも多くなり、この一年、志ある出版物が目につく。六組の家族を取材した。(佐田尾信作)

 灯籠流し 陽の目を見なかった父の原爆小説
 百年との邂逅 移民・ヒロシマ・自分探し
 ハルマヘラの風 遺品・遺骨なき祖父追う
 武器なき鵬程一萬浬 敗戦処理 船乗りの苦渋
 ヒロシマの九日間 父が見た悲惨 小説に
 七つの川は銀河に届け 「あの日々」伝えたくて

 ≪取材を終えて≫プロの物書きではない人たちが自身の家族史について本を出すのは、その意志に加えて機が熟すことも必要だと思った。生き方そのものだとも言える。

 むろん、出版物としては課題も多い。日記など元原稿との照合が十分でない、元原稿の誤りを見逃している、などの編集上の問題。「小説」と銘打った場合、事実と創作の線引きが読者に分かりにくいものもある。

 出版までに多大なエネルギーを費やしている著者、編者には酷な注文だが、引き続き元原稿を印刷物にし、記録として残してほしい。私家版でいいと思う。そして、さらに多くの人が、同じように家族の記録を残してほしいと願う。(佐田尾信作)

家族史の中の原爆・戦争

2006ヒロシマ


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