'13/11/28
デザイン全国コンで最優秀賞
全国の工業高校生が設計のアイデアを競う「工高生デザインコンクール」(日本建築協会主催)で、広島市南区の市立広島工業高3年湯浅和也君(17)=廿日市市=の作品が最優秀賞に選ばれた。ことしの課題は「クラブハウス」で、湯浅君は「食・遊・学・読」のテーマで4棟一組の集会所を設計。「幅広い世代が集う場になれば」との願いを込めた。
コンテストは、延べ床面積500平方メートル以内の条件でクラブハウスを自由に設計し、手描きの平面図や透視図、趣意書を提出する。59回目の本年度は全国17校から計83点の応募があった。
湯浅君の作品は地域の集会所をイメージし、テーマごとに棟が分かれる。「読」は大人が子どもに読み聞かせする紙芝居デッキ▽「食」は家庭料理を持ち寄り一緒に味わう調理室▽「遊」は囲碁や将棋の台が並ぶテラス▽「学」は子どもが勉強を教え合う研修室―を備える。4棟が囲む形で、祭りや発表会を開く広場を設けた。
学校周辺の住宅地を歩いていて、「住民の交流の機会が増えれば地域は盛り上がる」とアイデアを思いついたという。7月から約2カ月、所属する同校の建築部の仲間の知恵を借りながら作製した。
湯浅君は卒業後、広島工業大(佐伯区)に進学し、設計の勉強を続けるという。「技術を磨き、人と人をつなぐ仕掛けのある施設を全国に造っていきたい」と意気込む。
建築部の後輩で、ともに2年の井上竜馬君(17)と伊藤隆一郎君(16)の作品も優秀賞に選ばれた。学校の屋上を活用し、生徒や地域住民が野菜栽培やフリーマーケットをできる施設を設計した。
【写真説明】最優秀賞の設計を模型化した湯浅君(左)と、優秀賞に選ばれた伊藤君(中)と井上君