2000.1.26 |
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海外派遣へ艦船大型化
旧海軍の拠点だった呉に終戦三年後、瀬戸内海の機雷掃海をする海上保安庁の出先が置かれた。これが、五四年に発足した海上自衛隊呉地方隊の前身となった。現在、呉基地には約七十隻の艦艇が在籍、自衛官の総員は一万人を超す。 呉湾沿いの工場群に挟まれるように、護衛艦、輸送艦、潜水艦などの「やどり木」となる四つのバース(埠頭)が並んでいる。第四護衛隊群、練習艦隊・・・。この五年ほどで、部隊や艦船の増強が相次いだ。 中でも注目されているのが、九八年三月に配備された海自最大の輸送艦「おおすみ」(八、九〇〇トン)だ。国連平和維持活動(PKO)など海外派遣を念頭に従来の輸送艦の四倍に大型化され、昨年はトルコ地震救援で無寄港でエジプトまで到達。国内外の災害出動のほか、有事の際の邦人救出の役割も担うことになっている。 新ガイドラインのもとでの輸送や掃海作業などで、呉基地が今以上に、海外派遣の拠点となる可能性は強い。呉基地のバースは飽和状態。「おおすみ」も「他の六隻分のスペースを取ってしまう」との理由で岸壁に係留できることはほとんどない。
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