広島市の平和記念式典に六日、核兵器保有国のロシアを含む過去最多の三十五カ国の駐日大使や参事官が参列した。これまでの最多だった昨年のほぼ倍。核開発を進めるイランや爆弾テロなどで治安悪化が続いているイラクなど二十六カ国が初めて出席した。
大使本人が訪れたのはイラクや内戦を経験したボスニア・ヘルツェゴビナ、ルワンダなど十四カ国。ロシアやイランなど十九カ国は参事官らが参列し、エジプトとメキシコは本国の外務省の担当者が出席した。
核兵器保有国で唯一、参列したロシアのアンドレイ・コスチン参事官は「核兵器が市民に使われた悲劇を再認識した。ロシアは今、核兵器を持っているが、核兵器や戦争のない世界のために努力したい」と語った。
市は一九九八年から核兵器保有国の駐日大使の式典への参列を求める取り組みを開始。被爆六十年の昨年は最多の十八カ国が参列した。今年は計百四十カ国に出席を呼び掛けた。(金谷明彦)
【写真説明】平和記念式典に参列した各国の大使や参事官
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