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小泉首相、「最後」も駆け足 '06/8/7

 広島市中区での平和記念式典に出席した小泉純一郎首相は六日、五年連続で「被爆者代表から要望を聞く会」を欠席し、広島を後にした。九月の退任を控え、任期中に迎える最後の原爆の日。被爆者からは不満も聞かれた。

 小泉首相は式典直後の報道各社のインタビューで唯一の被爆国の首相として核兵器廃絶への決意を問われ「兵器が先鋭化しているので、原爆の被害を訴えていくことに意義があるのではないかと思う」と強調。だが、「聞く会」には出席せず帰京のため広島空港(三原市)へ車で直行した。

 中区内での「聞く会」には川崎二郎厚生労働相が出席。県被団協の坪井直理事長が「首相として最後の年なのにどうして出てもらえなかったのか。被爆者の気持ちをぜひぜひ伝えてもらいたい」と迫る場面もあった。

 過去、式典に参列しない首相もいたが、村山富市元首相以降の歴代首相は毎年、式典と「聞く会」の双方に出席してきた。小泉首相も就任した二〇〇一年には双方に出席したが、「厚労相が聞くので問題はない」などと「聞く会」を欠席してきた。式典に参列した被爆者の大田五百子さん(74)=安佐南区=は「北朝鮮など国際情勢が不安定な今だからこそ、被爆者の生の声を聞くことに意味があるのに」と残念がった。(荒木紀貴)

【写真説明】平和記念式典会場を後にする小泉首相。報道各社のインタビュー後、帰途に就いた(6日午前8時50分)


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