廿日市市で育った写真家で被爆三世の赤阪ヨーコさん(27)=大阪市=が、被爆六十年を迎えた昨年の広島、長崎両市の「原爆の日」をとらえた写真展を同市宮島町のぎゃらりい宮郷で開いている。八日まで。無料。
作品はすべて白黒写真で約八十点。街を焼き尽くし、人々の心の色さえも奪った原爆の残虐性を表現している。
広島市の平和記念式典前に、平和記念公園に並ぶいすを写した作品は「悲しみの数だけイスは並ぶ。平和を乞(こ)う人のイスは並ぶ」と一文を添えてある。被爆者の証言を聞く児童の姿や灯籠(とうろう)流しなどの作品もある。赤阪さんは祖父母が被爆した。四年前から広島と長崎をテーマに撮影活動を始め、「三世は、肉親の被爆体験を生で聞く機会がある最後の世代。今のうちに継承する何かをしたかった」という。
午前十時―午後七時(八日は午後六時まで)。Tel0829(44)2808。(岡田浩一)
【写真説明】原爆の日にレンズを向け続ける赤阪さん(左)
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