原爆投下で壊滅的な損害を受け、現在は平和記念公園(広島市中区)になっている中島地区の被爆前後を記録した「広島 爆心地 中島」が六日、全国で出版される。
A5判、百四十六ページ。二部構成の第一部は、料亭や映画館などでにぎわっていた被爆前の旧中島本町や旧材木町の姿や、一瞬で焼け野原になった様子を写真などで紹介。生存者の証言も交えて伝えている。第二部は、動員学徒の被災状況や背景を詳述し、巻末には被爆直前の周辺地図を収録した。
地元広島の大学名誉教授らでつくる「原爆遺跡保存運動懇談会」のメンバーが編集に携わって刊行された被爆六十年記念誌二冊に新たな資料を加え、一冊にまとめた。
懇談会の高橋信雄さん(67)=東区=は「被爆以前の町の様子を実感してもらえる」と説明している。新日本出版社の刊行。税込み千四百七十円。懇談会事務局Tel082(261)4423。(鴻池尚)
【写真説明】「広島 爆心地 中島」の出版について会見する高橋さん(左端)ら
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