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水面に映写 太田川愛 昨年急死の浦田さんポスター '06/8/3

 ▽両親「娘の願いかなう」

 昨年六月、急性心筋炎で亡くなった広島市安芸区のノートルダム清心中二年浦田加代子さん=当時(14)=が美しい太田川水系への思いを寄せたポスターの絵が五日夜、原爆ドーム(中区)前の元安川の水面に映し出される。「多くの人に自分の作品を見てほしいと言っていた娘の願いがかなう」と両親は喜んでいる。

 加代子さんの遺作は京橋川(南区)の風景を描いた。国土交通省太田川河川事務所の河川愛護ポスター募集に応じ、ビル群の間を空の景色を投影しながら流れる美しい川面を表現。「のこしていきたい きれいな姿」とのメッセージを添えた。

 完成間近に亡くなったため、美術部の友人たちが仕上げて応募。昨年度の最優秀作の一つに選ばれた。

 水面上映会は実行委が一昨年から、原爆の日の前日に元安川で開く。河川事務所は本年度の優秀十五点と前年度の最優秀作を上映するよう実行委に初めて依頼。加代子さんの遺作も映し出されることになった。父の伸一さん(41)は「うれしくて私も妻も涙があふれた」と話す。

 大型投影機による加代子さんらの作品上映は午後七時半から。八時からは実行委が被爆前の産業奨励館(原爆ドーム)や、修復が終わった故岡本太郎氏の大作「明日の神話」(原寸大)を川面に映写する。

【写真説明】元安川の水面に映し出される故浦田加代子さんの遺作のポスター(父の伸一さん提供)


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