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アジア非核化探る あすから原水禁世界大会 '06/8/1

 ▽憲法九条軸に平和発信

 日本原水協系と原水禁国民会議系の二つの原水爆禁止世界大会が二日から九日まで、広島、長崎両市と福岡市で開かれる。核拡散防止条約(NPT)再検討会議が決裂した昨年以降の世界情勢を踏まえながら、被爆国から核兵器廃絶を世界にアピールする。(金崎由美)

 【アジアの核軍縮】

 核兵器の使用と威嚇を国際法違反とした国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見から今年で十年。しかし、核開発をめぐりイランと北朝鮮が孤立を深め、インドは核弾頭搭載が可能な弾道ミサイルの発射実験を初めて実施するなど、アジアを核拡散から核軍縮へと導く道筋は見えてこない。

 両大会は、アジアの非核化を主要テーマの一つに据え、原水協は分科会、原水禁は福岡の国際会議と広島大会の平和シンポジウムで議論する。

 【日米同盟強化と憲法九条】

 日米両政府は五月、在日米軍再編に最終合意した。七月五日の北朝鮮のミサイル発射を発端に、政府・与党内にはミサイル防衛(MD)計画の前倒し論も浮上している。

 こうした日米軍事一体化の動きと歩調を合わせ、集団的自衛権容認をにらんだ憲法九条改正論議が活発化する。両大会とも、軍備拡大ではなく憲法九条の理念発信による平和構築を訴える。

 【被爆者援護と体験の継承】

 原爆症認定集団訴訟は五月の大阪地裁判決で原告全員が国に勝訴し、大会中の四日には広島地裁で判決が言い渡される。原水協は、全国の集団訴訟への支援と政治解決を呼び掛ける。

 今年はチェルノブイリ原発事故から二十年。原水禁は、世界のヒバクシャと連帯する分科会を開催。現地ジャーナリストや在外被爆者と、原発などを含めた世界の核被害の実態や被爆者支援強化について意見交換する。

 被爆体験を風化させず、核兵器廃絶への訴えを次世代に継承しようと、若者が被爆者問題などを学ぶ分科会やイベントにも力を入れる。 ≪原水爆禁止世界大会の主な日程≫
日本原水協系原水禁国民会議系
2日国際会議開会(広島市) 
3日国際会議分科会など国際会議(福岡市)
4日国際会議閉会・広島大会開会平和ヒロシマ大会 (広島市)
=連合・核禁会議と共催
5日広島大会分科会など広島大会分科会など
6日広島大会閉会など広島大会まとめ集会
7日 平和ナガサキ大会 (長崎市)=同
8日国際交流フォーラムなど(長崎市)長崎大会分科会など
9日長崎大会長崎大会まとめ集会


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