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広島市が8・6式典の概要を発表 '06/7/22

 ▽名前不詳者の名簿を初奉納

 広島市は二十一日、中区の平和記念公園で八月六日に営む原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)の概要を発表した。被爆六十一年の今年は核兵器廃絶をより強く訴える方針で、核兵器保有国をはじめ過去最多の百四十カ国に政府首脳らの参列を要請。今のところ、最多の三十九カ国が出席の意向を示している。小泉純一郎首相の参列は調整中で、実現すれば六年連続となる。

 核兵器保有国の参列はロシアのみで、在日大使館の参事官が出席する。米国や英国、中国、フランス、インド、パキスタンは出席しない。核兵器の製造・保有を宣言している北朝鮮からは回答がない。国連からは田中信明事務次長(軍縮担当)が出席、アナン事務総長のメッセージを代読する。

 式典は午前八時から四十五分間。昨年は被爆六十年の節目の年で二十分間延長したが、例年通りに戻す。原爆死没者名簿の奉納では、「氏名不詳者 多数」と記した名簿を初めて用意、名前が分からない犠牲者の冥福を祈る。

 原爆投下時刻の八時十五分、遺族代表の米倉正明さん(46)=中区=と、こども代表の青崎小六年三登百合子さん(11)=南区=が「平和の鐘」をつく。秋葉忠利市長の平和宣言に続き、南観音小六年新谷望君(12)=中区=と、楽々園小六年スミス・アンジェリアさん(12)=佐伯区=が「平和への誓い」を読み上げる。

 三登さんは「世界へ平和の思いを届けたい」、新谷君は「祖母の被爆体験を聞き、二度と繰り返してはいけない」、ハワイ生まれで米国籍も持つスミスさんは「平和について考えてもらえるよう気持ちを込めたい」と抱負を述べた。(林仁志)

【写真説明】平和記念式典で「平和の鐘」をつく左から米倉さん、三登さん、「平和の誓い」を読み上げる新谷君、スミスさん


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