▽被爆60年で全国募集した資料
被爆六十年の記念事業として、二〇〇四年から今年三月まで広島、長崎両市の原爆資料館と国立原爆死没者追悼平和祈念館などが全国募集した被爆資料を展示する企画展「託された過去と未来」が二十日、中区の原爆資料館東館で始まった。来年七月十日まで。無料。
被爆者の手記や着衣、携帯品など全国から寄せられた八百点を超える資料のうち、約百二十点を展示。十八歳で被爆死した男性が、戦火の高まりに死を覚悟して被爆前に書いた「父母の言うことをよく聞いてくれ。航空兵に志願して米英をたたき落としてくれよ」とする弟あての遺書や、血痕が付着したブラウスなどが並べられている。
このほか、遺影九点や、寄贈者の思いを紹介したパネルも掲げている。アインシュタインが原爆の被害に胸を痛めた様子をつづった直筆の手紙もあり、来館者は熱心に見入っていた。(ラン・ショウウ)
【写真説明】被爆して亡くなった少年の血痕が付着したズボンに見入る来館者
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