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原爆症認定に全国で44人が申請 '06/7/7


 ▽広島県からは6人

 原爆症の認定を求めて広島市の被爆者五人を含む八都道県の四十四人が六日、各自治体に申請書を提出した。認定率が極端に低い国の制度見直しを訴えるため、日本被団協が呼び掛けている第二次集団申請の一環。三月から七月まで月一回の予定だったが、申請者が相次いでいるため、九月から十二月まで続ける。

 広島市役所では、被爆者四人(女性三人、男性一人)と、男性被爆者一人の代理人らが訪れ、受理された。その後の会見で、西区に住む在日韓国人の男性(69)=盲腸がん=は、爆心地から約一・七キロ離れた南三篠町(現西区小河内町)で被爆し、戦後は鉄工場で働いてきた半生を説明し、「被爆直後から体調が悪く、年金もない。いろいろ苦労しました」と淡々と話した。

 安佐南区の女性(62)=肺がん=は「再発の可能性が高い、珍しいがんだと診断された。早く認定してもらい、治療を頑張りたい」と訴えていた。

 日本被団協によると、府中市の一人を含む広島県の六人に加え、愛知県十五人▽東京都十三人▽熊本県五人▽静岡県二人▽北海道と埼玉、神奈川県各一人の計四十四人が申請した。大半が却下される見通しで、却下取り消しを求める集団訴訟に加わってもらう方針。

 原爆症認定の集団申請・訴訟は二〇〇二年に開始。第一次運動では四百五十人が申請し、却下された約百七十人が全国十三地裁に提訴。五月に大阪地裁が出した初の判決では、原告九人全員が勝訴した。(滝川裕樹)

【写真説明】原爆症認定を求め、広島市に申請書を出す被爆者たち(手前)


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