'13/12/2
梶山季之の「ヒロシマ」探る
作家梶山季之(1930~75年)と被爆地ヒロシマとの関わりに光を当てる企画展を、広島大文書館が同大中央図書館(東広島市鏡山)で開いている。遺族寄贈の直筆原稿や取材ノートなど初公開資料も交え、梶山が原爆にどう向き合ってきたかを探っている。8日まで。
同文書館は2008年に「梶山季之文庫」を開設、遺族からの資料を順次受け入れ、整理している。今回の展示は中間報告の意味合いを兼ね企画した。従来の所蔵品を含む資料約60点を紹介する。
習作「原爆投下犯人(仮題)」は53~58年ごろに執筆したとみられる。青年たちが原爆投下の責任の所在を議論する内容で、梶山の原爆文学に対する認識がうかがえる。
表紙に「原爆」と記した取材ノートの一部や小説の構想メモも初めて展示した。
梶山は原爆被災白書運動の提唱者で、中国新聞社論説主幹を務めた故金井利博氏と深い交友があった。金井氏たちの原爆被災資料広島研究会に数度にわたり寄付金を送り支援したことも紹介している。
梶山は広島高等師範学校(現広島大)の卒業生。企画展は午前10時半~午後5時。無料。
【写真説明】初公開の資料を含む約60点を展示している企画展「作家梶山季之とヒロシマ」