七月に重要文化財に指定された広島市中区の世界平和記念聖堂で七日夜、南こうせつのコンサートがあり、心を癒やす歌声に約五百人が耳を傾けた。中国新聞社など主催。

　ろうそくの灯の中、南が「恐ろしい爆弾が一日も早くこの世からなくなるよう世界平和を祈りたい」と呼び掛け、ヒット曲「神田川」や「妹」をはじめ、平和や愛を題材にした自作曲などを弾き語り。広島で被爆したフーゴ・ラサール神父の提唱で一九五四年に建てられ、広島の戦後復興の象徴になった聖堂を柔らかな響きが優しく包んだ。

　広島で平和コンサートを八六年から十年間開いた南が、「南こうせつｉｎ世界平和記念聖堂」と題して二〇〇〇年から続けている。（里田明美）

【写真説明】ステンドグラスの前で平和の祈りを込めて歌う南こうせつ（撮影・荒木肇）