▽半数に拡大 詩朗読や合唱
多くの市立小、中学校で平和集会があった。被爆者の高齢化が進み、次世代への被爆体験の継承が課題となる中、今年は原爆の日に合わせたり、初めて開いたりする動きが広がった。これまで六日の前に開く学校が多かったが、市教委によると、昨年の数校から、今年は全体の約半数に当たる九十五校に拡大した。
昨年は四日に開いた西区の三篠小は午前八時十分、全校児童約七百人が体育館に集まった。同十五分に黙とう。四日にあった「原爆犠牲国民学校教師と子どもの碑」(中区)での式典に参加した児童代表三人が、折り鶴をささげたことなどを報告した。最後に平和を願う歌「折り鶴」を全員で合唱した。
中区の竹屋小も同じく四日から六日に替えた。児童代表十二人が低、中、高学年に分かれ、原爆をテーマにした詩を朗読。朗読ボランティアによる被爆体験記の読み聞かせや、被爆の実態を伝えるビデオ放映もあった。
六年菅篤耶君(12)は「広島にとって大切な日に六十一年前の悲惨な出来事を学び、被爆体験を受け継ぎ、伝えていきたいとの思いが強まった」と話していた。
漫画「はだしのゲン」の作者中沢啓治さんの母校、中区の江波中は初めて集いを開いた。全校生徒が各教室に分かれ、「はだしのゲン」のアニメを見て原爆の恐ろしさを学んだ。(小川満久)
【写真説明】原爆をテーマにした詩を朗読する竹屋小の児童代表(撮影・安部慶彦)
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