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内部被曝の恐怖訴え 劣化ウラン禁止国際大会 '06/8/6

 ▽健康被害との関係議論

 広島市で開催中の「劣化ウラン(DU)兵器禁止を訴える国際大会」に五日、前日に広島地裁で全面勝訴となった原爆症認定集団訴訟の支援者や広島の被爆者たち四人が招かれた。各地の原爆症訴訟の争点になり、DU兵器でも影響が懸念されている内部被曝(ひばく)をめぐり、熱心に意見を交わした。(滝川裕樹)

 中区の市まちづくり市民交流プラザの会場に約二百人が集まった。原爆症訴訟を支援する会の渡辺力人事務局長(79)は、科学的に影響がよく分かっていない内部被曝や残留放射線などが争点だったことを説明。DU兵器についても、健康被害との因果関係に賛否があることを念頭に「未解明だからといって、被害者を切り捨てるのは科学とは言えない」と強調した。

 被爆者を長年診てきた広島共立病院(安佐南区)の丸屋博名誉院長(81)は「(直爆を受けていない)入市被爆者の被害をずっと不思議に思っていた。イラクでのDU被害を聞き、広島も内部被曝の影響ではないかと納得した」と話した。

 「ひろしまを語り継ぐ教師の会」の松島圭次郎会長(77)は、流ちょうな英語で被爆体験を語り、原爆資料館(中区)の高橋昭博元館長(75)も被爆体験を描いた絵のスライドを使いながら、惨劇を振り返った。

 DU被曝により健康を害したと訴えている英国の湾岸戦争からの帰還兵レイ・ブリストウさんは「被爆地広島を訪れ、日本がなぜDU問題に熱心なのかが分かった」と指摘。イラクのマムーン科学大学のスアード・アル・アザウィ副学長は「被爆者の話に衝撃を受けた。米国は広島に学ばず、いまも世界で恥ずべき行為を繰り返している」と語気を強めた。

【写真説明】内部被曝の影響をめぐり、被爆者らを招いて、議論を交わす劣化ウラン禁止国際大会の参加者


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