▽「核なき明日」誓いの朝
人類史上初の原爆投下から六十一年。広島は六日、原爆の日を迎えた。爆心地に近い広島市中区の平和記念公園で午前八時から、原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)が開かれる。被爆者や遺族代表らが、二十四万七千人の原爆犠牲者を追悼し、核兵器廃絶を誓う。(宮崎智三)
式典では、二人の遺族代表と秋葉忠利市長が、原爆死没者名簿を原爆慰霊碑に奉納する。この一年間に亡くなったり、新たに死亡が確認された被爆者は五千三百五十人。名簿登載者は総数二十四万七千七百八十七人に増えた。今年初めて、「氏名不詳者 多数」と書いた名簿も奉納し、名前の分からない数多くの犠牲者の冥福を祈る。
遺族や被爆者代表に続き、小泉純一郎首相や扇千景参院議長、川崎二郎厚生労働相らが献花する。
原爆投下の八時十五分。遺族代表の米倉正明さん(46)=中区=と、こども代表で青崎小六年の三登百合子さん(11)=南区=の二人が「平和の鐘」をつく。参列者は全員、一分間黙とうする。
この後、秋葉市長が平和宣言。自ら会長を務める平和市長会議と一緒に核軍縮交渉を誠実に行い、完了させる義務を果たすよう核兵器保有国に求めるキャンペーンを展開する決意を表明する。
こども代表の南観音小六年の新谷望君(12)=中区=と、楽々園小六年のスミス・アンジェリアさん(12)=佐伯区=が「平和への誓い」を読み上げた後、小泉首相と藤田雄山広島県知事があいさつ。国連のアナン事務総長のメッセージを田中信明事務次長(59)=軍縮担当=が代読する。
市は、核兵器廃絶を一層強く訴えるため、核保有国を含む百四十カ国に政府首脳らの参列を要請し、最多の三十七カ国の駐日大使らが参列を予定している。ただ、核兵器保有国はロシアだけにとどまる。
被爆六十年の節目を迎えた昨年は要人あいさつのため、式典の時間を二十分間延長したが、今年は例年通り四十五分間に戻す。
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