民主党は四日、国の敗訴が相次ぐ原爆症認定集団訴訟の早期解決を図るため、政治決断による控訴取り下げと認定基準の抜本的見直しなどを迫る「核兵器廃絶と被爆者援護の充実を求める要請書」を政府に提出した。
同党被爆者問題議員懇談会事務局長の松本大輔衆院議員(比例中国)らが厚生労働省に赤松正雄副大臣、外務省に遠山清彦政務官を訪ね、要請書を手渡した。赤松氏らは具体的な対応について言及しなかったという。
要請後、松本氏は認定基準の見直しに後ろ向きな政府・与党の姿勢について、「司法が行政の誤りを指摘したのに放置するのは、国の怠慢。一刻も早く政治が解決するしかない」と語った。
要請書は、核廃絶に向け、唯一の被爆国として先頭に立って国際社会に働き掛けるよう求めるとともに、被爆者援護については、在外被爆者に対する被爆者援護法の完全適用や被爆二世、三世対策の充実などを求めている。当初は六日、広島市での平和記念式典に出席する小泉純一郎首相に、菅直人代表代行が直接要請書を手渡す予定だったが、「日程上の理由」で拒否されたという。(山中和久)
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