▽国に控訴断念を訴え
原爆症認定集団訴訟の弁護団は四日の広島地裁判決について、「画期的な判決だ。被爆地で初めての判決が八月六日直前に言い渡された意義は大きい」と評価し、国側の控訴断念を求めた。
判決後、弁護団は広島市中区の広島弁護士会館で記者会見。判決が、遠距離被爆者や入市被爆者の病気と被爆との因果関係も明確に認めた点などを歓迎した。
佐々木猛也弁護団長は「厚労相は判決を厳粛に受け止め、控訴することなく、直ちに認定制度の抜本的改革を図るべきだ」とする声明文を読み上げた。その上で、「(判決が)被爆者を慰め、救済制度を前進させる一助になると確信する」と力を込めた。
全国弁護団連絡会事務局長の宮原哲朗弁護士は「大阪地裁判決をさらに飛躍的に発展させた内容だ。大阪と広島の判断基準が定着すれば、全国の他地域の訴訟でも負けることはない。大きなインパクトを各裁判所に与えた」と強調した。(久行大輝)
|