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在外被爆者支援を訴え 広島でつどいブラジルの実情報告 '06/8/2

 「在外被爆者を支援するつどい」が一日、広島市の中区地域福祉センターであった。在ブラジル原爆被爆者協会理事の渡辺淳子さん(63)=サンパウロ市=が現地の実情を報告し、分け隔てない援護の必要性を訴えた。

 約三十人が参加。一九六七年に結婚してブラジルに渡った渡辺さんは二歳の時、安佐北区の神社近くで黒い雨を浴び、健康診断受診者証を取得。九四年に一時帰国した際、造血機能障害になり、被爆者健康手帳に切り替わった経験などを語った。

 続いて、昨年から被爆者援護法の枠外で日本政府が始めた医療費補助制度に触れ、「民間の医療保険に入っている人だけが対象。経済的理由で保険に入れない本当に苦しい人が救われない」と述べ、国内と同等の援護を訴えた。

 主催した「在ブラジル・在アメリカ被爆者裁判を支援する会」代表世話人の田村和之龍谷大法科大学院教授(64)は「裁判を重ね、援護法に基づく各種手当の申請が、国外からできるようになったが、手帳申請はいまだにできない。北朝鮮など放置された在外被爆者もいる」と今後の課題を指摘した。(森田裕美)

【写真説明】海外に住む被爆者の現状や問題点が報告された支援のつどい


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