広島、長崎両市で被爆した人の証言などをまとめたドキュメンタリー映画「二重被爆」の上映会が二十八日夜、広島市安佐南区の広島経済大であった。被爆地広島での上映は初めて。映画の出演者で安佐南区の二重被爆者賀谷美佐子さん(76)や学生ら約三十人が鑑賞した。
六十分間の映画は東京の制作会社が六月に作った。「広島からキノコ雲が追ってきた」「二重被爆を語り継ぐために生かされた」…。二度の惨状を体験した八人の二重被爆者(一人は死亡)が証言する。その映像を見た核保有国の米国やフランス、中国などの学生、市民の声も紹介している。
制作会社の社長と同大の教員が知り合いだったのが縁で、上映会が実現した。ビジネス情報学科三年片上宏樹さん(21)は「二重被爆者を初めて知った。その存在を世界に伝えていくべきだ」と話していた。秋以降の広島市での一般公開も検討されている。(山崎雄一)
【写真説明】広島初上映の二重被爆者の記録映画に見入る学生たち
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