NPT再検討会議インデックスへ

特集へ

連載へ

top pageへ

NPT会議で包括提案 政府方針


核実験凍結を明記 CTBTの早期発効促す
00/4/17 朝刊特集

 提案は八項目からなり、一九九五年のNPT延長・再検討会議で同条約の無期限延長が決まった際に採択された「核拡散防止と軍縮の原則と目標」を補い、今後の世界の核軍縮の道筋を示す内容となる。

 「日本政府がこれだけ包括的な(核軍縮)提案を行うのは初めて」(日本政府筋)という。

 これまでの水面下での外交交渉で、カナダやオーストラリアなど非核保有の有力国が支持を示したほか、核保有国の米国も関心を表明、欧州連合(EU)も日本提案には「EUの立場と共通する点が多い」としている。

 日本提案は、開始が遅れているカットオフ条約交渉については二〇〇三年を妥結目標に、遅れても二〇〇五年までと期限を設定。遅れているCTBT発効問題では、発効までの間の核実験モラトリアム(凍結)も明記し、核保有国にくぎを刺す。

 九五年にNPT無期限延長が決まって以来初めてとなる今回の再検討会議は、九八年のインド、パキスタンによる相次ぐ核実験実施、昨年の米上院のCTBT批准拒否などを受け「極めて悪い雰囲気」(同)の中での会議となる。

 このため、九五年以来の核軍縮・拡散防止での進展を評価する会議の「最終文書」採択は困難との観測がもっぱら。その中で、包括的な日本提案が、今回の再検討会議で唯一の採択文書となる可能性がある。