印パの加盟7市に要請文/世界連帯会議
'98/6/3
世界平和連帯都市市長会議の会長を務める平岡敬広島市長は二日、地下核実験を強行したインド、パキスタンの加盟七市に、核兵器廃絶を願う市民意識の盛り上げを求める要請文を送った。一九九一年(平成三)年に湾岸戦争の終結を求める要請文を全加盟都市に出したが、当事国の都市のみに送るのは初めて。
要請文を送ったのは、インドのチェンナイ、デリー、ラクノウ、ムンバイ、ニューボンベイと、パキスタンのファイサラバード、クウェッタの計七市。両国が計四度にわたって核実験をした際、バジパイ・インド首相とシャリフ・パキスタン首相に送った抗議文も添えた。
要請文は「戦争、とりわけ核兵器によって多くの被害を被り、犠牲を強いられるのは都市であり、そこに住む市民である」と指摘。「市長には平和な市民生活を守るため、戦争の予防に全力を尽くす義務がある。両国政府が核政策を捨て信頼関係を築くため、市民意識を喚起してほしい」として、市民の先頭に立って核兵器の廃絶に努力するよう求めた。
市長会議は八二年、都市同士が協力して核廃絶や世界恒久平和を目指すことを目的に結成。現在、百カ国四百五十六都市が加盟し、四年に一回、広島と長崎で総会を開いている。昨年の第四回総会では、二十一世紀を「平和の世紀」とするために核廃絶や貧困、環境破壊などの問題に取り組むことを誓った「ヒロシマ・ナガサキアピール」を採択した。
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