▽8・9日米の大学院生 展示方法と意識の関係探る
太平洋戦争を記憶にとどめ、世界平和を実現するにはどんな記念館が必要か―。ハワイ在住の米国人でハワイ大大学院生のピーター・ハードケンさん(31)が四日、調査のため広島市を訪れる。原爆資料館(中区)の展示方法が戦争に対する意識にどう影響するかなどを見学者にアンケートする。
研究は、日米の友好を進める調査研究を支援する嘉屋日米交流基金の奨学生として実施。五日に資料館を見学、六日は平和記念式典に参列。八、九日に国内外の来館者から聞き取り調査する。
同資料館のほか、米国海軍アリゾナ記念館、東京都の靖国神社と境内にある遊就館でも調べる。
研究を思い付いたのは昨年夏。なぜ小泉首相の靖国参拝に周辺各国が反発するのか知りたくて靖国神社、遊就館を訪問した。思想、感情、史実の伝え方などの展示法に影響されると考えたのがきっかけとなった。
米国では「これ以上犠牲を出さないため」など太平洋戦争を正当化して教える。だがハードケンさんは「なぜ破壊力の大きい原爆で終わらせたのか。真実はもっと複雑だったのでは…」と心に引っかかっていて、初の訪問に期待する。
「原爆資料館は訪れる国内外の人に太平洋戦争が破壊的な終結をした意味を教える場所。結果を注目している」と話している。(梨本嘉也)
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