関連ニュース
「はだしのゲン」原画展開幕 障害者の見た戦争語る '06/7/31

 ▽はらみちをさん 君田の美術館で制作実演も

 三次市君田町の「はらみちを美術館」で三十日、はらさん=広島市東区=が「熱いヒロシマの声がきこえる」と題して講演した。同館で始まった中沢啓治さんの「はだしのゲン」原画展のオープニングセレモニー。はらさんは講演後、入場客の前で制作実演をした。(藤元康之)

 はらさんは「僕をおぶって学校へ連れて行ってくれていた友だちは、学徒動員中に、原爆で亡くなった」と切り出した。障害者から見た戦争への思いが続く。「戦争は元気な人だけでやるんです。弱い者はのけものにされる。とんでもない人権差別。配給物資も僕の家には来なかった」

 自分の絵のテーマである母については「母は戦争には全く無関心でした。四人の子を育てるのに大変で、うちの方が大戦争だと言っていましたよ」と語った。

 制作実演では、入場客が見守る中、ロビーで「お母さんとかけっこした」と題した絵とヒマワリの色紙を三十五分間で描き上げた。東広島市安芸津町の会社員伊澤隆安さん(49)は「人柄から来る絵ですね。講演も原体験から来る平和の訴えで、感動しました」と見入っていた。「はだしのゲン」の原画は、八月十五日まで十七枚を展示している。

【写真説明】入場客を前に、母との思い出を描くはらさん(手前右)


MenuTopBackNextLast