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「テロ・報復戦争とヒロシマの役割」座談会 2002/01/01
政府対応 日本は何をしたのか ― 広島、長崎の悲惨な被爆体験があり、平和憲法を持ちなが ら、日本は米国に追随しているように見えますね。 井上 平和憲法は武力行使をせず、国際平和に貢献していくため にある。しかし、日本政府のとらえ方は全く逆で、今の憲法が弊害 になり援助できないと考えている。 中村 東京のミュージシャンたちも米国に追随する日本の姿勢に 違和感を持っている。米国の中でもアングロサクソンの支配構造を 批判するバンドも存在する。彼らが広島に来た時は、原爆資料館を 三時間くらいかけて見るなど、強い反戦意識を持っている。 福井 米国のチャルマーズ・ジョンソンという政治学者が「日本 は米国の衛星国だ」と言っている。大げさな見方だと思っていた が、今回は本当に衛星国だと思った。米国の意向に沿って自衛隊を 派遣すればいいというのではなく、相手が間違っていればそれを忠 告するのも同盟国としての役割だ。 森滝 一番怖いのは、日本政府がテロを都合のいいように利用す ることだ。政府はいままでできなかった有事法制などの法整備を急 ぎ、憲法改悪まで視野に入れている。この流れに対抗するために は、多くの人が結集し、はね返すことが必要だ。しかし、現状はそ こに至っていない。アジアの人を含め、多くの戦争犠牲者のうえに 生まれた平和憲法が紙切れみたいに捨てられてはならない。 菱木 米国はインドとパキスタンの核兵器を拒否して制裁を加え ながら、テロが起きると方針を変えて核製造に目をつむった。日本 も同じように両国への経済制裁を解いた。こういうことでは核兵器 廃絶は実現できない。日本政府は核保有国に、核兵器廃絶という明 確な約束を実行するよう迫るべきだ。 |