中国新聞

 

 
4.レリーフの願い

韓国人原爆犠牲者慰霊碑に立て掛けられる銅版のレリーフ。メッセージは、時間を超えて訴えかける

 歴史認識の原点回帰

 慰霊碑やモニュメントの周囲にさまざまなメッセージが残されていく。 若者たちの平和への願いもその一つ。韓国人原爆犠牲者慰霊碑には、銅版の レリーフが立て掛けてある。

 「過去を忘れる人は未来を失う」。表面や木枠は、かなり黒ずんでいる。 裏返すと、フェルトペンで「三重県大安中学校」とあり、男女六人の名前が 薄く残っていた。

 「彼らはもう二十二歳になりますよ」―。同中の二之部迪史校長が答えた。 彼らが広島を訪れた一九九四年、在日韓国・朝鮮人の語り部から話を聞いた。 「その話に感動して、ささげる場所を決めたのでしょう」

 九九年、慰霊碑は公園外の本川橋西詰めから移設。レリーフも一緒に移動した。 歴史教科諸問題で日韓関係がこじれる今夏、このメッセージの意味は思い。



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